■千鳥酢の歴史
創業享保年間(1716〜1736年)。海から遠い京都では食材の保存に酢が適しており、盛んだった友禅染の色止めに米酢が使われたことから、沢山の酢屋がありました。京には茶道の懐石料理、寺の精進料理、料亭の会席料理などその歴史とともに様々な食文化が今日まで続いています。『千鳥酢』は素材の味を活かすそのまろやかな味わいから、有名料亭や割烹など、京料理に欠かせない味として今に至ります。『千鳥酢』の名前は、「鴨川や清き流れに千鳥すむ」(詠み人知らず)の古歌から名付けられました。ラベルの赤と青は、友禅染めの染料で染まった鴨川を表現しています。
■蔵の土壁にすみついた微生物が守る味わいと香り
創業から280有余年という長い歴史の中で、蔵の土壁にすみついた微生物が作用し、その美味しさを醸し出すことから、阪神大震災(1995年)で被害を受けた際も、社屋のみを建て替え、醸造蔵はそのままの状態で補強するにとどめました。醸造学でもまだ分からない部分ですが、これが『千鳥酢』の風味を損なわず守ることと、今も環境を変えることなく大切にお酢を醸しています。
■“料理のプロ50人が選ぶ調味料”でもイチオシ!
「ツーンとこないまろやかな京都の米酢」として有名な『千鳥酢』は、お酢の苦手な方からの支持も多い逸品です。酢酸とクエン酸だけではなく、揮発しにくい旨味成分がたっぷり含まれているので、お酢特有のツーンとした香りがなくとてもまろやかで絶妙な味わい。料理のプロ50人が選ぶ調味料ランキング(2013年6月 日本経済新聞なんでもランキング)でも「基本のさしすせそ」のイチオシに選ばれています。